2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲生 啓行 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (00362434)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 複素力学系 |
Research Abstract |
Mandelbrot集合は局所連結であると予想されている.予想が正しければ,補集合の「極座標」で角度が一定となる曲線(外射線)は全て1点に収束する.一方,反正則2次多項式族におけるMandelbrot集合の類似であるtricornに対しては,周期が1でない奇数の双曲成分に収束する外射線は収束しないことが数値的に観察できる.奇数周期双曲成分の「臍の緒」が多くの場合収束せず,それによってtricornが弧状連結にならない,というHubbard-Schleicherの結果を応用することで,このような外射線が自明な場合を除いて収束しないことを示した(Sabyasachi Mukherjee氏と共同). 複素力学系で起きる様々な複雑な現象を理解する上で,放物型周期点の分岐,特にparabolic implosionと呼ばれる現象によって起きるJulia集合のパラメータに関する不連続性を理解することは重要な役割を果たしてきた.中根静男氏は2次元の歪積の力学系において,saddle connectionから生じるファイバーJulia集合の不連続性を示したが,そこにはparabolic implosionとよく似た現象が数値的に観察されていた.そこにparabolic implosion理論の考え方を応用することで,サドルのファイバー方向の線形化座標を用いてファイバーJulia集合の幾何的極限を記述できる場合があることを示した(中根静男氏と共同). また,複素2次元空間を数値的に可視化することは,高次元の相空間やパラメータ空間を理解する上で重要や役割を果たすと考えられる.頭の向きを検出できる3Dヘッドマウントディスプレイ(Oculus Rift)の出現によって,安価な装置で3次元空間に没入して観察する為の環境が整いつつある.これを用いて複素力学系から自然に現れる複素2次元空間(実4次元空間)の中の複雑な集合を観察する為のソフトウェアの開発を宇敷重廣氏と情報交換をしながら進めており,既に宇敷氏のソフトウェアを利用することで基本的な表示・操作は可能となっている.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)