2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740118
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
天野 孝伸 名古屋大学, 理学研究科, COE特任助教 (00514853)
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Keywords | 宇宙線 / 衝撃波 / プラズマ / 粒子加速 / 超新星残骸 |
Research Abstract |
現在では宇宙空間中の無衝突衝撃波が高エネルギー宇宙線の起源であるとの説がほぼ確立されているが,未解決の大問題として注入問題と(宇宙線の)非線形反作用の問題が挙げられる.本研究では宇宙線の反作用まで考慮した宇宙線加速効率を理論・数値シミュレーションの立場から明らかにするのが目的である。本年度では主に注入問題の素過程について扱った.(注入問題と非線形問題は相互に密接に関連しており,相互理解が不可欠である.) 天文学的な観測的では多くの場合において電磁波の放射効率の良い電子成分が重要な手がかりを与えるため,電子の注入効率を調べることが必要になる.我々は衝撃波ドリフト加速による上流の電子反射と,それに伴うホイッスラー波動の励起による電子注入モデルを提案してきたが,このモデルにおける注入効率の定量評価を試みている.これまでに衝撃波面がプラズマ不安定性による波状構造を持つことが示唆されていたが,この波状構造が電子注入に与える効果について調べた.波状構造をモデル化した衝撃波構造中での電子軌道を数値的に追尾した結果,電子の反射効率は落ちる傾向であること,しかしその一方で反射せずに下流に透過した成分は単純な理論予測以上にエネルギーを得ていること,などが明らかになったここで加速された電子は磁力線垂直方向に大きなエネルギーを持つことなどから,ホイッスラー波動の強度を増大させることが考えられ,その効果を含めた議論を今後行っていく予定である.
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Research Products
(4 results)