2011 Fiscal Year Annual Research Report
太陽大気の弱電離プラズマにおける磁気エネルギー散逸メカニズムの研究
Project/Area Number |
22740121
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
磯部 洋明 京都大学, 宇宙総合学研究ユニット, 特定講師 (90511254)
|
Keywords | 磁気リコネクション / 弱電離プラズマ / 両極生拡散 / 太陽彩層 / プロミネンス / 磁気流体力学 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、弱電離プラズマである彩層中での活発な磁気エネルギー解放現象を理解するため、数値シミュレーションによる理論的研究と太陽観測データの定量解析により、弱電離プラズマにおける磁気エネルギー散逸、特に磁気リコネクションのメカニズムを解明することである。H23年度は弱電離プラズマの特徴である両極性拡散係数の空間分布や、異なる磁場形状下での数値シミュレーションを行い、両極性拡散の局在化の影響を調べた。その結果、電流シートの厚さ程度に両極性拡散の局在化があると、所謂ペチェック型の速い磁気リコネクションを起こしうることを示した。またひので可視光望遠鏡の観測データの解析から、彩層中の磁気リコネクションが、コロナと同じ様にプラズモイド(プラズマの塊)の間欠的な噴出を伴い、非定常に起きていること、プロミネンス中でも速い磁気リコネクションが起きているらしいことなどを示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数値シミュレーションにより、弱電離プラズマ中の磁気リコネクションにおけるプラズモイドの役割や、両極性拡散による局在化の影響など、新しい知見が得られつつあり、かつ観測データの解析においても数値シミュレーションの結果を支持する発見がいくつかあった。このためおおむね研究は順調に進展していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
基本的な研究方策に変更はないが、2次元数値シミュレーションの結果で、両極性拡散の局在化が磁気リコネクションの構造と磁気ヱネルギー散逸率を決める上で極めて重要であることが分かってきたので、パラメータを様々に変えたシミュレーションで両極性拡散の効果の包括的な理解を目指すとともに、観測データ解析においては、両極性拡散の局在化の効果を観測的に検証する手法も検討する。
|