2012 Fiscal Year Annual Research Report
太陽大気の弱電離プラズマにおける磁気エネルギー散逸メカニズムの研究
Project/Area Number |
22740121
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
磯部 洋明 京都大学, 学際融合教育研究推進センタ―, 研究員 (90511254)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 弱電離プラズマ / 磁気リコネクション / 彩層 / 磁気流体力学 / プロミネンス / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、弱電離プラズマである彩層中での活発な磁気エネルギー解放現象を理解するため、弱電離プラズマにおける磁気エネルギー散逸、特に磁気リコネクションのメカニズムを解明することである。H24年度は「ひので」可視光望遠鏡の観測データの解析から、彩層中の磁気リコネクションに伴うと考えられるジェット現象を数多く解析してその形状やダイナミクスの詳細を調べた。前年度に行った解析で確認していた、プラズモイド(プラズマの塊)の間欠的な噴出を伴う非定常な磁気リコネクションは普遍的に見られた一方で、捻れた磁力線の存在を想起させるような動きを見せるジェットや、磁気リコネクションが一方向に進行するようなイベントなど、個々の現象ごとに多様なダイナミクスを見せることを示した。一方、彩層中の磁気リコネクションが起きたとしても、それがどのようにして観測されるような磁力線に沿った流れであるジェットを発生させるかは、これまで必ずしも明らかではなかった。この問題を明らかにするために、2次元及び3次元の彩層磁気リコネクションの数値シミュレーションを行った。まず重力成層を無視した3次元のシミュレーションから、ガス圧勾配による磁力線に沿った流れと波(遅い磁気音波)が発生することを明らかにした。次に現実的な重力成層を考慮した2次元のシミュレーションにより、磁気リコネクションが彩層下部で起きた場合は、磁気リコネクションによって発生した遅い磁気音波が上空に伝わる過程で、重力成層により振幅が増大して衝撃波を形成し、それが上空のより稀薄なガスを加速することで、観測されているような高い彩層ジェットの存在を説明できることを示した。また、彩層と同様に弱電離と考えられるプロミネンス中においても磁気リコネクションにより観測されているような突発的で速いプラズマ噴出現象が起きうることを、3次元の数値シミュレーションにより示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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