2011 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線衛星「あかり」中間赤外線サーベイによる隠された活動銀河核探査
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22740134
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大薮 進喜 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (10396806)
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Keywords | 光赤外線天文学 / 活動銀河核 / 観測天文学 / 赤外線 |
Research Abstract |
赤外線天文衛星「あかり」の中間赤外線全天サーベイの点源カタログを用いて、他の波長帯では活動銀河核の存在が知られていない塵に埋もれた活動銀河核の探査を行っている。中間赤外線点源カタログで選ばれた候補天体の追観測を「あかり」による近赤外線分光と地上望遠鏡を用いてすすめてきた。その結果、他波長ではその活動銀河核の存在が認識されていなかった銀河の中に、塵に隠された活動銀河核の存在を見いだすことに成功した(論文1)。このような天体の探査の追観測は継続しており、さらに増える予定である。平成22年度に行ったX線衛星「すざく」観測の解析をおこない、我々の見つけた活動銀河核が「すざく」XISでは検出できない、すなわちかなり強く塵に覆われていることを確認した。また「あかり」活動銀河核の光度関数の構築や、硬X線衛星のカタログと比較を行い、論文化をすすめ一部投稿中である。さらに多数の活動銀河核探査を行うために高感度の点源カタログの作成を進めている。本年度は点源を抽出するための全天イメージの作成を行った。これは従来の物に比べ、より高度な解析手法を適用した、より質のいい画像である。今後これから点源抽出を行う予定である。また副産物であるが、活動銀河核探査中に見つかった星形成銀河「あかり」の近赤外線分光観測の解析も進め、多環芳香族炭化水素の輝線と星形成銀河の活動性の間に低光度側に相関があり、高光度側は多環芳香族炭化水素の輝線が弱くなっていることを明らかにした。この論文も準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主目的である「あかり」中間赤外線全天サーベイ点源カタログを用いた活動銀河核の探査は、順調に進んでおり数々の成果がすでに出版されている。しかし、点源カタログをより高感度化してざらに暗い天体の探査という野心的な作業については、カタログの改善作業に予定より若干の遅れがでているが、進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
新しいカタログの作成の問題となっていた中間赤外線全天サーベイの新しい解析イメージは、昨年度末に完成した。このイメージから点源から抽出し、新しいカタログを作成し、その評価を行うのが、今後の作業である。またこのカタログから、活動銀河核候補を抽出する予定である。
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Research Products
(3 results)