2012 Fiscal Year Annual Research Report
酸素・ネオン同位体の分子構造の性質・発現機構の解明と元素合成過程への応用
Project/Area Number |
22740135
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 真明 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50402813)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 原子核理論 / クラスター / 分子軌道 |
Research Abstract |
今年度、以下の2課題を遂行した。 (1) 中性子過剰Ne,Mg同位体の励起スペクトルの理論的予言と反応断面積の評価 反対称化分子動力学を用い、安定核から中性子ドリップラインに至るまでのNe,Mg同位体の励起スペクトルおよび、電磁遷移確率などを求めた。その結果、ドリップライン近傍では、用いる有効相互作用依存性が大きいものの、パリティの逆転など、魔法数の破れに伴った特異な現象が起こる可能性を指摘した。得られた成果を複数の国際会議で発表し、また誌上論文を準備中である。さらに、反対称化分子動力学による解析で得られた波動関数を元に、Ne, Mg同位体の反応断面積の評価を行った。その結果、魔法数の破れに伴って、反応断面積が増大すること、また31Ne,37Mgでは中性子ハロー構造が現れ、反応断面積が極端に大きくなり、観測された反応断面積の振る舞いをよく説明する事をしめした。これらの結果を、国際会議及び誌上論文2編にて発表した。 (2) 直交条件模型による21Neの分子軌道状態の記述 α+16O+nの3体模型(直交条件模型)によって、21Neの励起スペクトルを記述し、コア核(20Ne)におけるクラスター構造の発達と、余剰中性子の運動(分子軌道)との関係を調べた。その結果、余剰中性子がπ分子軌道を占有した状態、σ分子軌道を占有した状態の2つの状態で、クラスターが発達し、その結果パリティ2重項が現れることを発見した。この理論計算は、観測されている21Na-21Ne間のクーロン置換エネルギー差を非常に説明し、21Neにおいて実際に分子軌道状態が存在することを強く示唆する。この成果を国内研究会で発表し、現在誌上論文を準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)