2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740153
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
HELLERMAN Simeon 東京大学, 数物連携宇宙研究機構, 特任准教授 (70534949)
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Keywords | 素粒子論 / 弦理論 / 量子重力 / 光的タキオン凝縮 / 共形場理論 |
Research Abstract |
2010年度、私は数学的に制約された手法、特に共形場の理論、を使った超弦理論の一般的振る舞いの理解について研究しました。この研究の目的は高度に超対称を持ち、そしてあるいは積分可能、な特別な背景の考察から蓄積されてできた量子重力の知識を抽出して、これを非超対称で非可積分な模型に適用することです。我々の現実世界は非常に非超対称です。したがって、我々の宇宙の超弦理論を理解するには超対称性とは独立した手法を作らなければなりません。私は破れのない超対称性によらないで量子重力模型を定義して計算を可能にする手法の開発に取り組んできました。これによって実際の現象に関する課題に答えることが可能になるのです。宇宙論や素粒子物理学あるいは原子核物理学の現実の課題は超対称性の破れが支配する系によって支配されています。以下に個別に述べます。 2010年度、私はIPMU研究員のCornelius Schmidt-Colinetとともに整合性のある量子重力理論を制限するための一般的な手法を開発しました。共形場の一般的な内部整合性条件を使って、共形場のエントロピーの範囲を導き出し、その応用としてある一定温度での範囲を導き出しました。結果として、中心電荷が与えられた場合に共形場が持つことが出来るわずかな変形の数の上限を見出すことができました。この上限をAdS/CFT対応(重力と物質のD-次元理論と共形場のD-1次元理論との関係)で言い換えると、一定の条件では内部整合性のある重力と物質の理論はどんな場合でも一定以上の無質量場を持つことが出来ないという厳密な定理になります。この発見はarXiv:1007.0756の論文となり、JHEP誌の査読中です。Eric Sharpe(ヴァージニア工科大学)と共同で非自明トポロジカルセクターでの量子重力と物質の理論の整合性条件の理解を深めました。過去数年、電弱理論の対称性の破れに関して超対称性模型における場の理論的なアクションでのある種の非くりこみ可能な項の基本的性質の理解へも興味が改めて蘇ってきています。特に、直接ゲージ対称性の破れを引き起こし自発的にHiggs粒子の質量と相互作用を支配すFayet-IIliopoulos項が精査の対象になっています。sharpeとの共著論文は数学と量子場の理論の厳密解を使ってFayet-IIliopoulos項、理論のトポロジカル・インスタントン、そして量子場の理論の観測可能な量を局所的に刷り込んだクラスター分解と呼ばれる性質の間の複雑な関係を調べました。結果はarXiv:1012.5999の論文となりATMP誌に投稿中です。異なるトポロジーにもかかわらず、コボルディズムと呼ばれる数学分野で予言され、またこの論文にある一般相対論と超弦理論の厳密解で記述された、スムーズにつなげることができる幾何が存在します。
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Research Products
(9 results)