2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22740158
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
酒井 忠勝 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (50375359)
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Keywords | ゲージ理論 / 弦理論 / 双対性 / Dブレイン |
Research Abstract |
ゲージ理論と弦理論の関係を解明するため、本年度はまず2次元の量子色力学(QCD)を弦理論によってどう記述されるかを調べた。2次元QCDを実現するDブレインの配位を構成することは、以前調べた4次元QCDの模型を応用することにより、すぐ出来た。次にこの模型を用いて、2次元QCDのメゾンの質量スペクトラムの解析を行った。満足すべき結果が得られ、論文にまとめるべく議論を重ねていた段階で、残念ながらまったく同じ結果を得た別の論文が出版されてしまった。現在は、これまで得られた結果に加え、より詳細な計算を実行し、2次元QCDと弦理論との関係をさらに深く解明するのを目標に掲げ、研究を続けている。次にゲージ理論と弦理論の双対性の研究から派生した成果として、素粒子の標準模型を弦理論からいかに構成するかを議論した。この研究テーマは、弦理論が80年代に発見されて以来現在に至るまで未解決問題の一つとして位置づけられていた。それの解決に向け、我々は非対称オービフォールドと呼ばれる弦理論に特有な空間に。適当な組み合わせのDブレインを配置して実現されるモデルを提案した。このモデルを調べた結果、残念ながら今まで考えられてきたモデル同様、このモデルは素粒子の標準模型が持つべき特徴を含まないことが分かった。しかしながら、弦理論の非対称オービフォールドとDブレインの数学的性質について深い知見が得られたことは、今後この方向にさらに研究を進める上で重要な意味を持つ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ゲージ理論と弦理論の双対性に関する研究については概ね満足すべき成果が得られている。その一方で、本研究の別の柱である、双対性の背後に潜む物理の研究については、現在研究の準備を進めている段階である。具体的な成果を得るにはさらに時間が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは2次元QCDに関する研究をできるだけ早い段階で完成させたい。また、ゲージ理論の散乱振幅などの解析を通じて、ゲージ理論の非摂動論的効果の理解を目指すとともに、ゲージ理論と弦理論の双対性の背後に潜む物理の解明を目標としたい。
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