2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740158
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
酒井 忠勝 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50375359)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | ゲージ理論 / 弦理論 / 双対性 / QGP |
Research Abstract |
本年度はクォーク・グルーオンプラズマ(QGP)の熱化の過程を、ゲージ理論/弦理論対応を用いて理解することを目標に掲げ、研究を行ってきた。RHICにおける重イオン散乱実験が明らかにしたように、重イオンが衝突後に形成されるQGPは、理想流体としてうまく記述できる。さらには、衝突から流体相へ移行、つまりQGPの熱化、が短時間の間に起こるなどの特徴がある。しかしながら、これらの物理の背後には強結合の量子色力学が存在するため、QGPのより詳しい解析には非摂動論的な計算手法が求められていた。ゲージ理論/弦理論対応は、そのための有用な道具立てとして期待され、現在に至るまで盛んに研究されている。これによれば、重イオン散乱によるQGPの熱化の過程は、5次元古典重力理論におけるブラックホールの形成として記述されると考えられている。本年度は、過去に考案した、QGPの熱化の物理をより有効に記述すると期待される5次元重力理論のモデルの詳しい解析を行った。まずはそのモデルから従う運動方程式を解く必要がある。しかしながら、それらは非線形の連立偏微分方程式で与えられるため、時間発展とともに形成されるブラックホールの厳密解を求めるのは、技術的に不可能である。そこで数値的に解析が重要になるが、解くべき方程式の複雑さから、より効率的なアルゴリズムを構築する必要があった。最近そのアルゴリズムがほぼ完成したので、次はその枠組みを用いて、QGPのより詳しい解析を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|