2012 Fiscal Year Annual Research Report
ウィルソンクォークを用いた現実クォーク質量でのQCD熱力学の研究
Project/Area Number |
22740168
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
梅田 貴士 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (40451679)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 格子QCD / クォークグルーオンプラズマ / 状態方程式 |
Research Abstract |
この研究では,本研究代表者が中心となって開発した固定格子間隔アプローチにおける温度積分法を用いて,高温・高密度のQCD で現れるクォーク・グルーオン・プラズマ状態の性質を格子QCD によって計算する。世界的に多く採用されている格子定式化のKS クォークよりも理論的な正当性が確保されたウィルソンクォークを用いて,QCD の熱力学量,特に状態方程式の計算を世界で初めて現実クォーク質量において行う事を目的とする。 本年度は現実クォーク質量でのシミュレーションへ向けた配位生成を進めた。 共通コードプロジェクトで開発された配位生成プログラム(Bridge++コード)を採用しPACS-CSグループの研究により調べられた現実クォーク質量に相当するパラメータでの配位生成を開始した。 また、状態方程式の計算に必要なベータ関数の計算の為に、再重み付け法による計算を計画している。この方法のテストのためにクエンチ近似における計算を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した通り、現実クォーク質量に相当するパラメータでの配位生成をスタートさせることが出来た。さらに状態方程式計算に必要な物理量計算の機能を配位生成コードに組み込むことが出来た。懸案であった奇数サイズの格子における配位生成が可能なBridge++コードを用いることによって高エネルギー加速器研究機構の大型計算機のBleuGene/Qにおいて当初予定していた程度の実効性能をクリアできた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は低温領域での配位生成の実効性能向上のために多段階の質量前処理をテストすることで必要な配位生成を目指す。また、現実クォーク質量での配位を用いたベータ関数計算のテストを行っていきたい。
|
Research Products
(9 results)