2012 Fiscal Year Annual Research Report
電気双極子モーメントの原子核構造理論からのアプローチ
Project/Area Number |
22740171
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
東山 幸司 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (60433679)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 原子核構造 / 中重核 / 殻模型 / 核子対殻模型 / 生成座標法 / 電気双極子モーメント / シッフモーメント / 二重ベータ崩壊 |
Research Abstract |
本研究の成果は,質量数130領域の原子核に対して,パリティと時間反転対称性(PT)を破る相互作用により生じるシッフモーメントを計算すると共に,キセノン129原子の電気双極子モーメントを評価したことである。中重核に対するシッフモーメントの理論研究は平均場模型による計算しか行われていなかったが,本研究により初めて平均場を超えた核子対殻模型による数値解析に成功した。また,これまでの研究において,核子固有の電気双極子モーメントにより生じるシッフモーメントを計算しており,2つの効果を評価できるようになった。本研究の結果により,核子固有の電気双極子モーメントにより生じるシッフモーメントは中性子の波動関数の寄与が陽子のものよりも大きくなること,PTを破る相互作用により生じるシッフモーメントは特定のエネルギーレベルの寄与が重要であることが明らかになった。 また,本研究では質量数80領域の偶偶核・奇核について生成座標法を用いた数値解析によって,原子核の励起メカニズムを明らかにした。この領域の核子間にはたらく相互作用の研究は現在まであまり行われてこなかったため,本研究では現象論的な有効相互作用を用いて殻模型計算を行い,幅広い核種のエネルギー準位や電磁遷移の実験値を再現するように相互作用を決定した。この相互作用を用いて生成座標法による数値解析を実行し,得られた波動関数を解析することにより,原子核の軸対称変形の効果を取り入れることで質量数80領域の偶偶核のイラストバンドを再現できること,三軸非対称変形の効果を取り入れなければガンマバンドを再現できないことを確認した。 さらにその他の成果として,テルル130原子核のニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊の評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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