2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740187
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
阪村 豊 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (90525552)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 余剰次元 / 超重力理論 / 量子効果 |
Research Abstract |
前年度までの研究成果に基づき、5次元超重力理論に基づく余剰次元模型の研究を行った。これまでの研究で明らかになったように、既存の5次元超重力理論の議論を余剰次元の大きさや形に対応するモジュライと呼ばれる場が複数ある場合に拡張することは標準模型を超える物理を考える上で重要である。そこで本年度は4次元有効理論における量子補正の効果を一般的な5次元超重力理論の枠組みで系統的に導出することを試みた。計算を見通し良く行う為には超場形式が有用である。そこでまず5次元作用のN=1超場を用いた記述を完成させ、それを用いて超対称性を顕に保ったまま4次元有効理論に登場するケーラーポテンシャルと呼ばれる量に対する1ループ量子補正を計算した。得られた公式は余剰次元方向の計量が歪んでいる場合に加えて4次元的な境界面に局在化した相互作用項等も取り入れた一般的な系に適用でき、従来の議論をより広い枠組みに拡張することができる。 この研究成果により、具体的には5次元場が関与する量子補正による余剰次元の大きさの安定化や量子効果により媒介される超対称性の破れの効果を評価することができるようになった。余剰次元の安定化は現実的な模型を構築する上で必須である。また上記の安定化機構は5次元時空におけるカシミア効果に対応しており、安定化の為のみに模型を拡張する必要がないという利点がある。また、超対称性の破れはしばしば既存の実験結果と矛盾するほど大きなフレーバーの破れを引き起こす為、模型構築の際には超対称性の破れの伝搬に関してフレーバーの破れを小さく抑えるような機構が必要である。上記の量子効果はこれらの問題を議論する際に本質的な役割を担う為、本研究の成果はこれらの研究に対して大きな貢献が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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