2010 Fiscal Year Annual Research Report
局在光電場中の単一カーボンナノチューブ電子状態の解明とその制御
Project/Area Number |
22740195
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
毛利 真一郎 千葉大学, 先進科学センター, 特任助教 (60516037)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 共鳴レイリー散乱 / ナノ光ファイバー |
Research Abstract |
本研究は、エバネッセント場を生じうるナノ構造近傍にカーボンナノチューブを成長させ、その電子状態の制御を目指している。本年度は、局在光電場を生じうるナノ構造としてナノ光ファイバーに着目し、ナノ光ファイバー上に成長させたカーボンナノチューブの基底励起子遷移によると考えられる共鳴レイリー散乱を観測することに成功した。ナノ光ファイバー上に成長したカーボンナノチューブの共鳴レイリー散乱では、従来の発光測定で観測されてきた励起子遷移の線幅(~10meV)よりシャープな(~1meV)スペクトルが観測された。この結果は、キャビティなどにカーボンナノチューブを閉じ込めることで、その線幅を制御できる可能性を示した重要な結果であると考えている。また、発光やラマン散乱によりSi基板上に成長させた1本のカーボンナノチューブのカイラリティ評価システムを構築した。このシステムは、今後、ナノ構造近傍に分散させた1本のカーボンナノチューブのカイラリティ評価へ利用できると考えている。一方、アルコールCVD法を用いて、単一分光に必要な1本/μm^2の成長密度でカーボンナノチューブを目指した。流量の調整により、ある程度の配向制御は可能であるが、成長密度の調整との両立する最適なパラメーターを見出すことは出来なかった。後は、目的達成のために、カーボンナノチューブ分散溶液などを試料として用いることも検討する必要があることがわかった。
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