2010 Fiscal Year Annual Research Report
グラフェンにおけるトポロジーと電子相関の理論的研究
Project/Area Number |
22740196
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江澤 雅彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (10504805)
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Keywords | グラフェン / グラフェン・ナノディスク / ディラック電子 / スカーミオン / 量子ドット / スピン軌道相互作用 / トポロジカル絶縁体 / 渦度 |
Research Abstract |
グラフェン及びグラフェン派生物質に付随する物理現象は,現在の物性物理で最も注目を集めている物の一つである。特に、グラフェンを一次元状に切り出したグラフェン・ナノリボンに関しては多くの研究がなされている。同様に重要な物質として、グラフェン・ナノディスクがある。これは閉じた境界を持つグラフェン派生物である。このナノディスクという新しい物理系の豊かな電磁的性質を明らかにした。特に、サイズNのジグザグ三角ナノディスクはN重縮退した零エネルギー状態を持つ。零エネルギー状態を対称群C3νの既約表現で分類した。更に、グラフェンの連続理論であるDirac方程式を用いて定式化し、全ての波動関数と量子数を決定した。の実空間ベリー位相を計算することで渦糸構造を発見した。特に、ノディスクの重心での渦度は0,1,2の値をとることを示した。れらの渦は基底状態に現れる磁束として観測可能である。般に渦度2の渦状態はエネルギーが高いので不安定であり、性系のみならず全物理系においても実現しない。ノディスクにおいて実現したのは三角対称性の強い制約からである。また、強磁性体中のトポロジカル励起であるスカーミオンについても研究した。異方的非線形シグマ模型に磁気双極子相互作用を導入した系を解析し、スカーミオンの新たな安定化機構を提案した。スカーミオンの半径を外部磁場の関数として解析的に求めた。磁気双極子相互作用によって実現するスキルミオンの半径はマイクロメーターのオーダーであり、「巨大スキルミオン」と名付けた。巨大スキルミオンには最小半径があることを示した。
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Research Products
(8 results)