2011 Fiscal Year Annual Research Report
半導体微小共振器における励起子-光子相互作用の精密制御と新しい光学応答の探求
Project/Area Number |
22740202
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大畠 悟郎 大阪府立大学, 理学系研究科, 助教 (10464653)
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Keywords | 光物性 / 量子光学 / 半導体微小共振器 / 共振器ポラリトン |
Research Abstract |
本研究では,CuCl微小共振器における共振器ポラリトンの詳細な状態測定とその解析から,新奇光学応答の可能性を探ることが目的である.そのために,実空間,時間領域における応答をはじめ様々な観点から測定・解析を行っていく必要がある.今年度は,主に以下に示す3つの観点について研究を進めた. (1)顕微分光の測定系を新たに構築し,微小領域(~1μm)における共振器ポラリトンの状態について観測を行った.その結果,1μm程度の領域において共振器のQ値と共鳴エネルギー,またRabi分裂エネルギーについても,無視できない場所依存性が存在することが明らかになった.これは試料における各界面のラフネスなどが影響していることが考えられる.この結果から,通常測定するマクロな共振器ポラリトンの応答は,これらのミクロな領域におけるポラリトン状態のアンサンブルとして考える必要があることが判明した. (2)フェムト秒パルスを用いたポンプ・プローブ法を用いて,共振器ポラリトンの超高速ダイナミクの測定を行った.CuCl微小共振器における共振器ポラリトンの時間応答は,共振器光-励起子の結合状態によって大きく変化することが判明した.、しかしながら,結合状態については,関連するパラメータが多いため完全な理解には至っておらず,さらなる詳細研究が必要である. (3)2つの単一共振器をつなげて光のトンネリングを可能とした,結合微小共振器の作製に成功した.これにより,共振器に閉じ込める光のモードを様々に変化させる事が可能になり,共振器ポラリトンの状態制御の自由度を格段に広げることが可能となった.
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[Presentation] CuCl微小共振器中における励起子分子-光子結合状態II2011
Author(s)
松浦心平, 三森康義, 小坂英男, 枝松圭一, 宮崎健一, 金大貴, 中山正昭, 大畠悟郎, 岡寿樹, 安食博志, 石原一
Organizer
日本物理学会2011年秋季大会
Place of Presentation
富山大学五福キャンパス
Year and Date
2011-09-23
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