2010 Fiscal Year Annual Research Report
物質の低エネルギー有効模型の第一原理導出とこれを用いた実証研究
Project/Area Number |
22740215
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 和磨 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (60525236)
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Keywords | 第一原理計算 / 低エネルギー有効模型 / 制限乱雑位相近似 / 最局在ワニエ関数 / 大規模並列化 |
Research Abstract |
現実の強相関物質の低エネルギー物性の定量解析を目指して「密度汎関数法」と「低エネルギー有効模型に対する高精度ソルバー」を融合した第一原理解析手法の開発を進めている。本年度はその一環として以下の2つの課題に取り組んだ。 (1)次元縮約法: 従来までの「制限乱雑位相近似(cRPA)法」は三次元模型のパラメータを導出するのに対し、擬一次元・二次元系の物性解析では、純粋一次元・二次元模型が解析対象となる。導出模型の次元と解析模型の次元は異なっており、次元縮約された有効模型の導出理論およびプログラム開発が必須となる。cRPA法で導入される「制限」をバンド自由度だけでなく空間自由度にも拡張することにより、上記の問題を解決した[1]。擬二次元系鉄系超伝導体LaFeAsOの純粋二次元模型の導出を行った。FeAs層間の遮蔽効果を取り込むことにより、(i)三次元相互作用特有の長距離型クーロン相互作用が短距離型に変わること、(ii)オンサイト相互作用に対してさえ、10-15%の値減少効果があることを見出した。 (2)第一原理RPAコードの大規模並列化: 第一原理RPA計算コードの大規模並列化を行った。スーパーコンピュータ「京」での使用を想定し、分散メモリ型仕様に全面改訂を行った。東大物性研System Bにて2048コア(512MPIプロセス)までの実証研究を行い、85%以上の高い並列効率を引き出すことに成功した。4096コア(1024MPIプロセス)・48時間計算を行い、正常稼働することも確認した。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Local atomic structure of superconducting FeSe_<1-x>Te_x2010
Author(s)
Despina Louca, K.Horigane, A.Llobet, R.Arita, S.Ji, N.Katayama, S.Konbu, K.Nakamura, T.-Y.Koo, P.Tong, K.Yamada
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Journal Title
Phys.Rev.B
Volume: 81
Pages: 134524(1-8)
Peer Reviewed
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