2010 Fiscal Year Annual Research Report
フライホイール電源を用いたパルス強磁場下における比熱測定の開発
Project/Area Number |
22740218
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 晃弘 東京大学, 物性研究所, 助教 (00572819)
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Keywords | パルス強磁場 / 比熱測定 |
Research Abstract |
本年度は、4He温度領域でのパルス磁場下での比熱測定系を構築すること目的として主に比熱測定用クライオスタットの作製を行った。作製するに当たって、まず比熱測定の測定手法を吟味し、その結果、交流法による測定系を開発することとした。次に、交流法を行う上で重要な役割を果たす抵抗温度計の選定を行った。測定温度領域が低温であることから、Cernox温度計(LakeShore社製)とRuO_2温度計の2種類を候補とした。まず始めにCernox温度計(ベアチップ型)の磁気抵抗測定を行った。Cernox温度計は超伝導マグネットでの測定で頻繁に使用されているが、低磁場領域での抵抗のふるまいはやや複雑であった。また、市販のRuO_2温度計は磁場による抵抗の変化が大きすぎるという問題があることがわかった。従って、一般に使用されている抵抗温度計はパルス磁場下での比熱測定に適していないことが明らかとなった。一方で、温度計としては通常使用されない市販のチップ抵抗器がパルス磁場下での比熱測定用に適していることを見いだした。このチップ抵抗器は、メタルグレースと呼ばれるRuO_2を主成分とした素材からなる。温度領域は10K以下と制限されているが、磁場と温度を変数とした多項式により磁気抵抗が非常によくフィッティングできることがわかった。また、形状も非常に小さいため、温度計自身による発熱も押さえられる。今後は非磁性材料を用いた断熱真空層の作製、試料空間の作製を行い、次年度までに測定系の構築をする予定である。
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Research Products
(3 results)