2012 Fiscal Year Annual Research Report
フライホイール電源を用いたパルス強磁場下における比熱測定の開発
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22740218
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 晃弘 東京大学, 物性研究所, 助教 (00572819)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 物性実験 / 強相関電子系 / 低温物性 |
Research Abstract |
本研究ではフライホイール発電機を用いた測定開発を第1の目標としていたが、東日本大震災の影響による電力制限、およびそれに伴うフライホイール発電機用のマグネット開発・製作の遅れなどにより、申請当初の目標を達成することはできなかった。 フライホイール発電機用のマグネットが完成し、常用できる状態になり次第速やかに測定が行えるよう、今年度は通常の測定で使用しているパルスマグネット(パルス幅:約35ミリ秒)において比熱測定システムの評価を行った。試料の温度を測定する温度計としてRuO2の小チップを採用し、このRuO2上に試料を直接乗せる方式で交流比熱測定を行った。約35ミリ秒のパルス幅に対応する交流電流の周波数は最低でも50kHz~100kHzを必要とするが、現行のシステムではこの周波数は大きすぎ、精密な測定を行うことはできなかった。一方、フライホイールを用いた測定では数百ミリ秒程度のパルス幅が得られるため、この場合には数kHzの交流電流で測定が可能である。この周波数領域であれば今年度に作製した測定系でも十分に測定が行えると期待できる。本研究課題は今年度で終了するが、フライホイール発電機用のマグネットの完成は間近にあるので、引き続きフライホイールを用いた測定系の開発を進めていく予定である。 また、フライホイール発電機が十分に使用できなかったため、本研究の最終的な目的の1つである近藤半導体CeRuAl10の奇妙な相転移の起源解明に対しては、パルス強磁場下での磁化および磁気抵抗測定からのアプローチを試みた。その結果、CeRuAl10の相転移には伝導電子とf電子との異方的な混成が重要な役割を果たしていおり、特に混成の大きさはa軸で最も大きいことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)