2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740231
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小手川 恒 神戸大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30372684)
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Keywords | NMR / 高圧セル |
Research Abstract |
NMR測定用を目的とした圧力セルの開発、及び高圧下での低温量子状態の研究を行った。まず、新たに開発を行っている大型のインデンターセル(試料空間φ3.0mm×2.5mm)の圧力発生向率についての試料空間や圧力セル部品の形状について系統性を調べ、最適条件を絞った。また、新たな圧力発生原理を導入した圧力セルの開発も行っているが、現在のところ、期待通りの結果は得られていない。 鉄系超伝導体の圧力効果においてはFeSeなどの11系、及びペロブスカイト型構造を含む新規超伝導体について電気抵抗測定を用いて超伝導転移温度の圧力変化を調べた。その結果、結晶構造と超伝導転移温度の間に密接な関係があることを導いた。例えば、FeSe系では鉄面からのSeの距離の重要性、ペロブスカイト系ではa軸長と超伝導転移温度及び圧力下での転移温度の上昇幅に相関が得られた。また、ペロブスカイト系は高い超伝導転移温度が期待される系であったが、今回の測定からその上限は47K程度に留まることが推察された。 強磁性体UGe2においてはホール効果測定を行い、圧力・温度・磁場相図を作成し、1次の磁場誘起常磁性-強磁性転移が終結する量子臨界終点の存在を明らかにした。これは新しいタイプの量子臨界点であり、今後、新規の量子状態の発見につながる可能性も期待される。
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