2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740251
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今村 卓史 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (70538280)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | KPZ方程式 / レプリカ法 / 厳密解 / ボーズガス |
Research Abstract |
Kardar-Parisi-Zhang (KPZ)方程式は界面成長を記述する代表的な非線形確率微分方程式である。KPZ方程式は界面ゆらぎの自己アフィン性を記述し、その臨界指数は様々な実験系や数理モデルで現れる普遍的なものである。近年(2010年以降)空間1次元のKPZ方程式の高さ分布関数の厳密解が得られ、統計物理学、確率論、可積分系の分野で注目を集めている。我々はKPZ方程式の厳密解について研究を行なった。KPZ方程式の定常状態は空間方向についてブラウン運動的であることが知られている。我々は昨年度の研究で得たレプリカ法の知見を生かして、定常状態における1次元KPZ方程式の高さ分布関数の厳密解を導出した。さらにこれを用いて高さの時空間2点相関関数の厳密解を得た。この2点相関関数は統計物理学において重要な物理量であり、KPZ方程式に限ってもこれまで様々な手法(数値計算、モード結合理論など)で解析されてきた。今回得られた厳密解はこれらの研究に示唆を与えると期待される。レプリカ法では高さのN次指数モーメントの時間発展がN粒子デルタ関数ボース気体のハミルトニアン(Lieb-Liniger模型)で記述されることを用いる。Lieb-Liniger模型のBethe Ansatzによる厳密な固有エネルギー、固有状態をたし上げることで、N次指数モーメントの母関数のFredholm行列式表示を得た。高さ分布関数はこの表示から直ちに得られる。本研究は千葉大学の笹本智弘氏との共同研究であり、Physical Review LettersおよびJournal of Statistical Physicsに論文として出版された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)