2010 Fiscal Year Annual Research Report
カーネル多変量解析に基づく大自由度非線形力学系の縮約表現
Project/Area Number |
22740258
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
末谷 大道 鹿児島大学, 理工学研究科(理学系), 准教授 (40507167)
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Keywords | カーネル多変量解析 / 多様体学習 / カオス / 水滴落下 |
Research Abstract |
本年度では、まず水滴落下の実験系を構築した.水滴を落とすために蛇口の代わりにビュレットを用い、外部で大きな水槽を設置することで水面の高さをコントロールできるようにした。そして、レーザーセンサーを用いて水滴の落下間隔を計測すると共に高速度ビデオカメラを用いて水滴の時空間パターンも詳細に観察した。ビュレットの水面の高さを調整することによって周期運動からカオスへ遷移する様子を見ることができたが分岐現象を確認することは出来なかった。これはビュレットの口径が小さすぎて水の粘性が大きすぎたことが原因であると思われる。 また、産総研の赤穂氏と共にRANSACアルゴリズムを用いて測地線距離の誤推定を防ぐことによってISOMAPを改良した多様体学習法を提案した。それを水滴落下の現象論的モデルであるバネ-質点系モデルの数値シミュレーションデータに適用した。従来のISOMAPでは解析が困難であった折り畳まれた紐状の多様体に対して適切な座標系を与え、その座標系を用いて新たにポアンカレ写像を得ることができた。そしてリアプノフ指数や位相エントロピーなどの力学系の不変量がこの新たな写像を用いて正しく計算されることを確認した。その結果を赤穂氏や鹿児島大学の秦氏らと共著で電子情報通信学会の非線形問題研究会(於東京)で発表した。 高速度ビデオカメラを用いた観察により、流量が大きくなると共に水滴が水平方向に揺れる現象が観察された。そこで、秦氏ど水滴の水平方向への振動も考慮したバネ-質点系モデルの修正についても検討を行った。
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Research Products
(3 results)