2012 Fiscal Year Annual Research Report
深海の熱水噴出を例とした超臨界水の流れのダイナミクス
Project/Area Number |
22740261
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小紫 誠子 日本大学, 理工学部, 准教授 (90318361)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 超臨界水 / 深海の熱水噴出 / 非圧縮性流れ / 数値シミュレーション / ハイブリッド上流差分 / 高温熱対流 / 複雑流れ |
Research Abstract |
深海底から噴出する超臨界熱水の流れについて、前年度に開発した高精度安定スキームであるハイブリッド上流差分スキームを用いて数値計算を行った.海水温度が2~3℃の深海中に噴出する400℃を超える超臨界水は、噴出後に温度が急激に降下し液体に遷移する。温度変化や相変化に伴う密度や粘性その他熱的物性が大きく変化するため、その流れは極めて複雑なものであると推測されたが、軸対称流れを仮定した2次元計算により、極めて非定常性が強く複雑な構造を持つ流れが再現された。深い海の底から噴出する超高温熱水の姿を初めて捉えることができた。これらの計算により、高温熱水でも臨界温度前後の液相と超臨界相で流れ場が大きく異なることが明らかになった。すなわち、高温の液体熱水では上昇速度は速いながらも安定し定常的に渦が流れていくのに対し、超臨界熱水は爆発的に発達しながら上昇し、非定常的に渦が生成されて流れていく。とくに、噴出流の下部の噴出孔に近い場所において上方で生成された渦が上から滑り落ちてくるような状況も確認された。これは、たとえば熱水に混合している地殻内鉱物類が噴出孔の極めて近い場所に堆積するというような、熱水噴出に付随して起こる現象を予測させるものである。 さらに3元計算コードの構築を進め、計算の試行を重ねた。3次元計算においても2次元計算で用いたスキームが適用できることが確認された。しかしながら、一般にこのような熱対流の数値計算では境界条件の与え方が容易ではなく、流れの対称性を仮定しない3次元計算においては計算を安定に進めることが困難な場合も多い。本計算でも水平遠方境界における流入流出条件設定が困難であり、流れ場にも無視できない影響を与えるという問題が確認された。境界条件の改良が課題となっている。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)