2012 Fiscal Year Annual Research Report
DNA鎖の転写反応におけるねじれの伝搬と非平衡カイラルダイナミクス
Project/Area Number |
22740274
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
和田 浩史 立命館大学, 理工学部, 准教授 (50456753)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | DNAダイナミクス / twist-bend coupling / ヌクレオソーム / DNA supercoiling |
Research Abstract |
RNAポリメラーゼの働きによってDNAには動的にねじれが導入され,DNAのスーパーコイリングやヌクレオソーム複合体のリモデリングを引き起こすことが、多くの実験結果から示唆されている。このような力学的なプロセスはまた転写反応の開始や制御,あるいはクロマチンレベルの巨視的な構造安定性にも関与していると考えられている。本研究課題はこの複雑な現象の素過程であるモデルヌクレオソーム複合体におけるねじれの動的効果を理論的に調べることであった。最終年度である本年度は、弾性フィラメントと球状のモデルヒストンからなるヌクレオソーム複合体のねじれのもとでの安定性を、理論的および数値的に調べた。まずゆらぎを無視するレベルで系の自由エネルギーを解析的に導出し,ねじれの大きさに応じてそのエネルギーランドスケープがどのように変化するかを調べた。その結果,ヌクレオソームの安定性を減じるようにねじれが加わる場合,ヒストンをおよそ2回巻きしているDNAは協同的に解離することが予測された。さらに23年度に構築したシミュレーションモデルを用いて,外部からのねじれによってヌクレオソーム構造がどのように動的に変化するかを調べた。その結果,DNAはヒストンからステップワイズに解離することが示された。さらにねじれートルク曲線を測定し,それが特徴的なのこぎり型の応答を示すことを明らかにした。これらのふるまいは磁気ビーズを用いた生体一分子測定実験によって検証可能な予測である。以上の結果は,転写過程におけるヌクレオソームの動的な構造安定性を理解するうえで,重要な力学的知見をもたらす成果である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)