2013 Fiscal Year Annual Research Report
超高速コヒーレント分光で検証可能な励起エネルギー移動の包括的理論
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22740276
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
斉藤 圭亮 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20514516)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 光合成 / 励起エネルギー移動 / プロトン移動 / 水素結合ネットワーク / 協奏的 / 光化学系II / 水分解 / マンガンクラスター |
Research Abstract |
植物の光合成蛋白質光化学系II (PSII)では,蛋白質に含む色素の励起エネルギーとして伝達された太陽光エネルギーは水分解反応に使われる.水分解反応はPSIIにあるマンガンクラスターで起こる.それは水を酸素とプロトンに分解する反応である.生成されたプロトンは蛋白質中を移動する.この過程がプロトン移動である.研究期間の最終年度である本年度は,光合成蛋白質における励起エネルギー移動の最終到達点である水分解反応に着目し,(1)マンガンクラスターの構造に関することと,(2)PSIIにおけるプロトン移動について,下記のように成果を得た. (1)マンガンクラスターは椅子のような構造をしているが,普通の椅子の形とは異なりいびつにゆがんでいる.このゆがみこそ水分解という機能を発揮するのに重要と考えられているが,その理由は明かでない.これを明らかにした.ゆがみの原因は椅子の背もたれ部分にあるひとつのマンガン原子であった. (2)PSIIのTyrDと呼ばれるチロシンアミノ酸残基は,プロトンを放出する性質を持っている.このプロトン移動の機構を明らかにした.プロトンは蛋白質が作る美しい水素結合ネットワークのなかを,まるで玉突きのような協奏的機構により,13Åも先へと移動する.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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