2011 Fiscal Year Annual Research Report
海底地震計記録の自己相関解析に基づく太平洋プレート内部不均質構造の解明
Project/Area Number |
22740288
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 喜宏 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (30435581)
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Keywords | 地震波干渉法 / 自己相関関数 / 地震波反射面 / 沈み込み帯 / 二重地震面 / 太平洋プレート |
Research Abstract |
沈み込むプレートに関わらず一般に地震活動の水平方向の不均質性を説明するための要素として、流体の関与が強く示唆されている.プレート内に存在する流体を検出する地震学的方法として、人工震源を用いた反射法地震探査が有効であるが、二重地震面の下面付近については人工震源により励起できる波では震源のエネルギーが不足している。本研究の目的は(1)沈み込む太平洋プレート内部の不均質構造を地震波干渉法により推定、(2)浅部の二重浅発地震面の地震活動に関連した速度不均質構造を抽出し、特に下面の地震活動度の空間変化に関連した地震波散乱源の空間分布を調べることで、下面の地震活動へのプレート内流体の分布を調べることである。さらに(3)リソスフェアーアセノスフェア境界の深さ分布を高分解能で調べることにより、沈み込むプレートの変形およびプレートの内流体分布により形成されるであろう二重面の地震テクトニクスの解明を試みる。H23年度は主に宮城沖の海底地震計記録について自己相関解析を実施し,地震前後の自己相関関数の時間変化について調べた。その結果,地震発生後にみられる自己相関関数の変化には二つのパターンがあることがわかった。一つは、地震後に観測点周囲の一様な速度低下を示唆する変化のパターンであり、もう一つは,局所的な速度構造変化を示唆するパターンであった。これらの要因として、一様な速度変化については強震動による表層の損傷であり、局所的な構造変化としては地震時のプレート境界面近傍の物性変化が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存の海底地震記録の自己相関解析処理は順調に進展しているが、2011年東北地方太平洋沖地震の発生を受けて、巨大地震により生じる地下構造の変化を地震波干渉法により抽出することにH23年度は特化した。このため本来の研究の主目的である深部のイメージングについてはやや遅れているため上記の区分とした。ただし、研究全体の達成度としては、自己相関解析による地下構造のイメージングについて進展があったため、「(1)当初の計画以上に進展している。」相当の成果は得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は特に本研究の主目的である深部構造のイメージングについて重点的に研究を行う。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Seismic velocity changes associated with the 2005 M7.2 Miyagi-Oki Earthquake, NE Japan revealed from seismic interferometry2011
Author(s)
Chujo, K., Y.Ito, H.Nakahara, R.Hino, T.Yamada, M.Shinohara, T.Kanazawa
Organizer
AGU 2011 Fall Meeting
Place of Presentation
Moscone Center, San Francisco, USA
Year and Date
2011-12-05
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