2012 Fiscal Year Annual Research Report
GPSのデータ同化手法の開発とプレート境界の摩擦特性の推定
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22740290
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 淳一 東京大学, 地震研究所, 助教 (70569714)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 断層すべり / 余効すべり / 摩擦 / GPS / プレート境界 |
Research Abstract |
2011年東北地方太平洋沖地震の余効すべり領域における摩擦特性を推定するため,プレート境界面上における地震後約7ヵ月間の積算余効すべり及びすべり速度の時空間変化をGPSデータに時間依存インバージョン法を適用することによって1日毎に推定した. これまで,余効すべりの時間変化は,速度・状態依存摩擦法則から導かれた速度強化の定常摩擦を用いてモデル化されており,このようなモデルでは,剪断応力の速度依存性を表すパラメータ(a-b)*sigma(sigmaは有効法線応力)は,空間的には変化するが時間的には一定であると仮定されてきた.多くの余効すべりの時間変化がこのモデルで説明できることが既に明らかにされているが,東北沖地震の余効すべりの時間変化はこのモデルでは説明できないことが分かった. 余効すべりの時空間変化から余効すべり域における剪断応力の時間変化を計算し,すべり速度と剪断応力の関係から(a-b)*sigmaを推定したところ,(a-b)*sigmaがすべり速度に依存して変化することが分かった.すべり速度と剪断応力の関係から(a-b)*sigmaをすべり速度の関数として推定すると,すべり速度が大きくなるにつれて(a-b)*sigmaが0に近づき,摩擦すべりの安定性が減少することが分かった.推定されたすべり速度に依存する(a-b)*sigmaを用いて,速度強化の定常摩擦を仮定して余効すべりのシミュレーションを行ったところ,インバージョンで推定された余効すべりの時間変化とすべり速度・剪断応力の関係が良く再現された. 速度強化領域における正の(a-b)*sigmaの値が小さくなるほど,動的破壊が速度強化領域への伝播しやすくなるため,本研究で推定されたような(a-b)*sigmaのすべり速度依存性は,地震の空間的な大きさを決める一つの要因となっている可能性がある.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)