2010 Fiscal Year Annual Research Report
直流電車からの漏洩電流を用いた次世代比抵抗調査法の開発研究
Project/Area Number |
22740294
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉村 令慧 京都大学, 防災研究所, 助教 (50346061)
|
Keywords | 観測手法 / 比抵抗構造 |
Research Abstract |
本年度は、直流電車からの漏洩電流信号の特徴を把握するために、既にアレイで取得済みの広帯域MT観測データの精査を行った。精査を行ったデータセットは、計20点で同時に取得された電磁場記録からなる。各地点・各時刻での漏洩電流信号のパターンと信号の強度に関するリスト化を行ったところ、おおむねすべての観測点において、同タイミング、つまり同じ漏洩電流信号を記録していることが分かった。しかしながら、その振幅については信号発信点からの距離に伴い減衰する傾向がみられるので、スタック等でのS/N向上が必要であることが確認できた。 加えて、周辺の3次元地下構造を事前に把握するために、通常の解析による3次元解析を開始した。MT応答の再推定を行うとともに、複数2次元解析を実施し構造の3次元的な把握を行った。実際の3次元解析は、解析メッシュの粗密の影響、海深データの解析メッシュへの入れ込み方法の検討を行った。さらに予備的3次元解析から深さ方向への解像度を確保するために、より長周期のMT応答を推定する必要性が判明し、その算出への取り組みを、モデルの構築に並行して行っている。 多点同時電場観測のための手法開発の一環で、新規に電極の改良を行った。品質管理を簡便にするため、銅-硫酸銅電極を採用するが、既存の自作電極では個体差が大きいため、電極本体の構造改良を加えるとともに、複数素材による底面セラミック(大地との接触面)のテストを行った。テストの結果をもとに、安定した電場データの取得が可能となる電極が構成できた。
|