2012 Fiscal Year Annual Research Report
粒子法による多相流粘弾性流体数値計算コードの開発とマグマへの応用
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22740297
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
市川 浩樹 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, グローバルCOE助教 (50570503)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 固体地球物理学 / 流体 |
Research Abstract |
今年度も、引き続き多相流の数値計算コードの作成を行い、粘性力が支配的な系であるマグマオーシャン内の半径1mmの微少な鉄の液滴の衝突、合体の計算を行った。このコードは固体地球科学でよく用いられているオイラー的な手法ではなく、粒子法に基づいている。本研究で開発された粒子法による粘弾性流体のレオロジーを取り扱える多相流コードには様々な適用例が考えられる。オイラー的な計算法では計算が困難であるが、粒子法では比較的扱いやすい問題として、例えば、マグマの中の気泡の成長や、地球の中心核の形成過程のシミュレーションなどがある。これまでのオイラー的な手法では、必然的に相境界に非物理的である数値的な拡散が生じてしまうが、粒子法を使うことにより、相境界の数値拡散を実質的にゼロにすることができ、相境界をシャープに保ちながら長時間の計算をすることができる。従って、粒子法では気泡や液滴の合体や成長を精度良く取り扱うことができる。前年度までに開発した、表面張力や慣性力、粘性力を含む一般的な多相流体系を取り扱える粒子法のコードでは、粘性力が大きな問題では数値的に不安定な結果が得られたが、今年度、フォン・ノイマンの人口粘性に少し改良を加えることにより、数値的に安定に精度良く計算することができるようになった。 その開発したコードを用い、地球初期のマグマオーシャンでの金属の液滴の落下を模した数値計算を行った。シリケイトの液体中において、半径1mmの金属の液滴を512個用意し、金属の液滴が落下しつつ、衝突合体を行う様子に対して、数値計算を行った。その計算結果により、落下する微少な金属の液滴の合体にかかるタイムスケールを見積もることができるようになった。この結果をマグマオーシャンにおける、鉄と岩石の分離の問題に適用することにより、地球のコアの形成にかかるタイムスケールをより正確に予測することができるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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