2010 Fiscal Year Annual Research Report
同位体置換水素ハイドレートの分子間相互作用の解明と惑星・原始星の進化の推定
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22740298
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
町田 真一 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, グローバル COE研究員 (30554373)
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Keywords | 水素ハイドレート / 惑星・原始星 / 分子間相互作用 / 同位体効果 / 高圧実験 / ダイヤモンドアンビルセル / Raman分光 |
Research Abstract |
水分子と水素分子から成る固体結晶である水素ハイドレートは、原始星や氷惑星における水素分子のリザーバーとして天体の進化に大きな役割を果たしている可能性がある。本研究は、この水素ハイドレートの高圧構造や安定性を解明し、惑星・衛星や原始星の、形成や進化のモデリングに寄与しようとするものである。水素ハイドレートの物性を解明する上で、構造内に複雑に存在する分子間の相互作用を分離し、定量化することが重要な鍵となる。そこで本研究では、分子間相互作用のなかでも、質量依存で存在する要素を浮きぼりにするため、同位体置換の水素ハイドレートの高圧実験を行い、その構造変化や振動状態変化を調べた。 当該年度に、より安定して高圧力を達成できるよう、高圧発生装置であるダイヤモンドアンビルセルの製作を新たに行った。水素ハイドレートの作成は、あらかじめ水を封入したダイヤモンドアンビルセルの試料室内に、液体ヘリウムを冷媒とした充填装置を用いて液体水素の充填を行い、水と水素を直接反応させることで行っている。当該年度に、この低温充填装置を用いて複数のダイヤモンドアンビルセルに液体水素を充填できるよう、また安定して充填を行うことができるように、装置の改良を行った。 当該年度は主に軽水素一重水(H_2-D_2O)系の水素ハイドレートについて、高圧実験を行った。Raman分光によるゲスト水素分子の振動状態の測定の結果から、ハイドレートが生成する以前の流体水素-水間で、水素原子の交換が起きることが明らかとなった。また、交換により生成したD_2,HD分子がH_2分子とともにハイドレートに内包されることが示された。 軽水を用いたH_2-H_2O系ハイドレートの場合、構造の安定化のために、ゲストH2が放出されるが、.H_2-D_2O系の場合にはH_2分子の放出は観察されなかった。一方で、固体D_2、HDの出現が観察された。このことから、水素分子の放出は、ゲスト分子の質量に依存性があることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)