2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740310
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三浦 裕亮 東京大学, 大気海洋研究所, 特任助教 (70415991)
|
Keywords | 気象学 / 気候変動 / 数値モデル |
Research Abstract |
正20面体格子上にZM-grid法と呼ばれる新しい水平離散化法を採用した浅水モデルを構築した。ZM-grid法では高度を6角形の中心に、速度を6角形の頂点に定義する。球面上の浅水モデルに関する標準的なテストを行い、新しく開発したモデルが従来のモデルよりも高精度であることを確認した。モデルの開発過程においては特に、傾き項と発散項の離散化手法を見直し、より高精度な計算を実現した。具体的には、正20面体格子を理想化した正6角形格子を用いて、2次精度の傾き項と一様流に対する3次精度・4次精度の移流スキームの定式化を行った。その後、これらの新離散化法を正20面体上に実装して球面上での精度評価を行い、結果が良好であることを確認した。また、3次精度・4次精度の移流スキームについては、それぞれ異なる2つのアルゴリズムを考案し、正20面体上で2つの異なるアプローチで同等の結果が得られることも実証した。これらの当初予定していた計算法の高度化に加え、より高精度・高解像度なPPM法に基づく移流スキームを正20面体格子で利用するべく研究を行い、新手法の開発に至った。正20面体格子上のPPM法に関する論は現在査読の最終段階にあり、また、3次精度スキームの新手法に関する論文を執筆中である。 正20面体格子上の水平離散化法の研究に注力する一方、地形を含む2次元乾燥大気モデルの構築には大幅な遅れを生じた。圧縮・準圧縮の大気力学の方程式系を、主に音波の取り扱いの観点から詳細に検討した。
|