2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740314
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉川 裕 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (40346854)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 吹送流 / 風成乱流 / 海面加熱による乱流抑制 / 混合層深度 / ストークスドリフト |
Research Abstract |
初めに、(風速に比例する)摩擦速度、(海面熱フラックスに比例する)海面浮力フラックス、(地球自転の影響を表す)コリオリ係数を変えた全9通りの数値実験(LES)を行い、吹送流や乱流強度、密度成層がこれらのパラメターにどのように依存するか調べた。その結果、乱流の速度スケールは摩擦速度に、長さスケールはZilitinkevich et al.(2002)で提唱された摩擦速度とコリオリ係数に浮力加速度フラックスの影響を加味した長さに比例することが判明した。また、渦粘性係数と渦拡散係数は速度スケールと長さスケールの積に比例し、その鉛直分布は普遍的に解析表現できることが分かった。さらに、この普遍分布とエクマン方程式から、吹送流や混合層深度、混合層内の密度成層の鉛直分布も普遍的に表現できることが判明した。 次に、混合層深度、摩擦速度、海面浮力フラックスの観測値を解析し、観測される混合層深度のパラメター依存性を調べた。その結果、LESで得られた依存性が観測値にも確認され、以上の結果が現実に妥当であることが確認された。これらの結果により、海面加熱下での漂流や、混合層深度など、吹送流や風成乱流に関する様々な現象の推定精度が向上することが期待され、環境対策や大気海洋相互作用など幅広い分野に影響を及ぼすことが期待される成果を得た。 また、対馬海峡における吹送流に及ぼす波浪(ストークスドリフト)の影響を調査するため、観測の行われた日(2006年8月13日)の摩擦速度、海面浮力フラックスおよび波浪を外部強制力としてLES計算を行い、観測値と比較を行った。その結果、観測時は海面加熱が大きく、ストークス流が引き起こす混合の影響は表層(海面から2m程度)に限定されること、対馬海峡における観測データもこの結果を支持することを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(8 results)