2012 Fiscal Year Annual Research Report
北極海の急激な海氷減少に影響を及ぼす北極圏の大気大循環の役割に関する研究
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22740317
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
小木 雅世 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 研究員 (50392957)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 気候変動 / 北極海 / 海氷 / 大気循環 |
Research Abstract |
本研究の目的は、近年の北極海の海氷が減少している理由について、北極海を覆う大気循環が、海氷にどのような影響を及ぼすのかについて、その関係とメカニズムを解明することを目的とする。本年度の研究では、北極海の大気循環が、夏の北極海の海氷減少の年々変動及び長期変動に、どのような影響を及ぼすのかを研究するため、大気観測データや衛星による海氷データ等を用いた解析を行った。 2010年、2011年の9月は、2007年と同じように、海氷が減少した年であった。そこで、夏の地表面の風が、2010年、2011年の海氷減少にどのような影響を及ぼしたのかを解析した。その結果、海氷が少なかった月では、北極海を覆う高気圧性循環が卓越し、海氷が多かった月では、高気圧性循環が卓越していなかったことがわかった。つまり、これまで解析を行ってきた年々変動ばかりではなく、月ごとにおいても、北極海を覆う高気圧性循環が卓越するかどうかで、海氷の増減が決まることが分かった。この結果は、冬の大気循環よりも夏の大気循環がより海氷増減に大きな影響を及ぼすことも示唆した。 さらに、北極海の海氷減少にはトレンドがあるので、この長期的なトレンドが大気循環のトレンドとどのような関係にあるのかを探るため、長期的な大気‐海洋‐海氷相互作用の研究も行った。その結果、近年の夏の大気循環のトレンドは、高気圧性循環が卓越し、海氷の動きも高気圧性循環と同じ動きをしており、北極海の海氷も減少トレンドがあることがわかった。なお、研究協力者であるワシントン大学のRigor Ignatius氏やJohn Wallace氏と研究の議論をするために、米国に訪問したり、これまでの研究成果をまとめ、論文投稿受理及び国内・国際学会で研究発表も行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)