2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740329
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
関口 智寛 筑波大学, 生命環境系, 講師 (90400647)
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Keywords | ベッドフォーム / 遷移 / 浅海環境 / 水理実験 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本課題は、これまで未着手であった振動流の方向変化を中心に、振幅、周期、非対称性の変化によるリップル遷移を対象とした実験をおこない、(1)一次元正弦振動、(2)一次元非対称振動、(3)二次元振動下でのリップル遷移について、堆積物粒径の影響を含めて検討することを目的としている。今年度は、主として一次元正弦振動による実験に取り組んだ。この実験では二次元的な初期リップル(平均粒径:0.2~0.3mm、波長:3~8cm)をあらかじめ形成し、これにさまざまな定常振動(振動と初期リップルがなす角:0~90°、周期:1~3秒、振幅:10cm以下,|最大流速/最小流速|:1-1.5)を作用させることで、非定常振動流下でおこる既存リップルと振動流の相互作用を模式的に再現し、リップル遷移を引きおこした。特に初期波峰と平行な二次波峰の消失(円頂型リップル形成)条件に着目して観察を行った。その結果、円頂型リップルは,振動の全振幅が初期リップル波長の3/2以下で、初期波峰と振動がなす角が約75°~90°、最小流速に対する最大流速の比の絶対値が1.2以上、最大流速に基づくモビリティーナンバーが2(粗度を持つ底面におけるリップル発生限界)以上の場合に形成されやすいことが明らかになった。また、対象振動実験の結果と同様に、初期波峰と振動がなす角が約50°を下回ると、初期波峰と斜交する明瞭な二次波峰が出現しやすい傾向がみられた。初期波峰と振動がなす角が約50°~75°の場合には、両者が共存するケースがみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験自体はおおむね順調に進行しているが、当初の計画より研究成果のアウトプットが遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
非対称振動実験を継続するとともに、二次元振動実験に取り組む。また、年度由の研究成果の公表を目指す。
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