2010 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ‐中性粒子結合系の高エネルギーイオン流れ場におけるダイナミクス
Project/Area Number |
22740357
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡本 敦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50396793)
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Keywords | 境界層プラズマ / 原子分子過程 / イオンビーム / 密度分布計測 / 中性粒子 / 再結合プラズマ / 荷電交換反応 |
Research Abstract |
本研究は、パルス状の高エネルギーイオンが生成する流れ場において、荷電交換や再結合によりプラズマと中性粒子が結合した系の時間応答を解明することを目的としている。本年度は、再結合プラズマの安定した生成のための中性粒子密度制御手法を確立し、高エネルギーイオン流れ場の構築を行うとともに、分光学的手法による電子温度・電子密度の空間分布計測に着手した。 具体的な実施内容と成果は以下のとおりである。 1エンドプレート近傍の中性ガス供給口にガスパフ装置と差動排気装置を整備した。差動排気に有効なオリフィス形状を計算と実験の両面から調査し、設置した。 2中性粒子分布に関する基礎データの取得を行い、ガスパフ装置と差動排気装置の使用により再結合プラズマ生成に有望な中性粒子分布の維持が可能なことを実証した。 3入力パワー、磁場強度、ガス圧力制御により、電子温度10eV、電子密度10^<12>cm^<-3>程度のプラズマ生成に成功した。特にプラズマ生成部の磁場配位を制御することで、高密度のプラズマが生成可能であるという知見を得た。 4分光スペクトル計測システムを整備し、ヘリウム原子の発光強度データを取得した。 5磁場中の高エネルギーヘリウムイオンの軌道を計算により追跡し、壁と衝突しない可能性を見出した。 6プラズマ中への小型イオン源を用いたヘリウムイオンビーム入射に成功した。特にガスパフ装置使用時には、高エネルギーイオン流れ場の重畳により電子密度・電子温度が変化する現象を見出した。
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Research Products
(7 results)