2010 Fiscal Year Annual Research Report
重イオンビームプローブにおける多点同時計測器の研究開発
Project/Area Number |
22740359
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮田 良明 筑波大学, プラズマ研究センター, 研究員 (40510029)
|
Keywords | プラズマ計測 / 重イオンビームプローブ / 多点同時計測法 / ドリフト型揺動 / 局所電場計測 |
Research Abstract |
高温プラズマにおいて、プラズマ圧力、密度勾配により駆動されるドリフト波揺動に起因して径方向粒子束の存在が観測され、プラズマ閉じ込めとの関連が示唆されている。近年、電場形成によるプラズマ閉じ込め向上の物理機構の究明において、高精度な局所電場計測が重要である。コアプラズマ内の高精度な電位/電場計測に適した能動的粒子計測法の重イオンビームプローブを用いて、ドリフト型揺動の成長、減衰過程のメカニズムを詳細に解明するため、空間二点同時計測可能な改良型分析器の設計、開発を行った。既存の重イオンビームプローブの高信頼性、高精度計測を最大限に活用しつつ、早期に空間二点同時計測を実現させるためには、分析器の入射スリット構造物の改良が必要となる。イオンビーム軌道シミュレーションを基に既に設計が完了している空間二点同時計測可能な改良型分析器を製作、設置した.また、既存の32チャンネルビーム検出器の全チャンネルを最大限に活用するため、微小電流を増幅可能な高性能アンプ、及び揺動計測に最適なデータ取り込み系の構築を行った。設置された改良型分析器において、コアプラズマ中の電位を高精度絶対値計測可能にするため、較正実験を行い、同時に空間二点同時計測手法を確立した。既存の分析器では1つの入射スリットを持つため、検出器上で1つのビームプロファイルが観測されていたが、改良スリットでは2つの入射スリットを持つため、検出器上で2つのビームプロファイルが観測された。即ち、イオンビーム軌道シミュレーションを基に設計された改良型分析器は、開発課題を十分に満たす性能が確認され、空間二点同時計測に成功した。以上の空間二点同時計測手法を用いて、高精度な径方向電場分布計測を実現し、電場形成によるプラズマ閉じ込め向上の物理機構の究明に大きく貢献した。
|