2010 Fiscal Year Annual Research Report
次世代省エネルギー半導体用高強度パルス金属イオンビーム発生とイオン注入への応用
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22740360
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
伊藤 弘昭 富山大学, 理工学研究部(工学), 准教授 (70302445)
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Keywords | 高強度パルス重イオンビーム / 金属イオンビーム / 真空アークプラズマガン / パルスパワー技術 / パルスイオン注入 |
Research Abstract |
次世代省エネルギーデバイスとして期待されている炭化ケイ素半導体に対して、高温アニールを必要とせずにイオン注入と同時にアニール処理を同時に行えるパルスイオン注入の実証実験を行うためには、高純度の大電流パルス重イオンビームが必要である。さらに、イオン注入法においてはn型・p型ドーパントの機能として作用するイオン種のイオンビームが必要であり、n型ドーパントとして機能する窒素に対してはこれまでの研究成果で対応できるが、p型ドーパントとして機能する元素の多くが固体であることから、固体をイオン源とする新しい高強度パルスイオンビーム発生技術の開発が不可欠である。今年度は、p型ドーパントとして機能するイオン種(アルミニウムイオン)が発生可能である真空アーク放電を利用した金属イオン発生技術をイオン源として用いることで、p型ドーパント用の高強度パルスアルミニウムイオンビーム発生技術を開発し、イオンビームの評価を行った。 この装置において加速電圧のピーク値が220kV、パルス幅(半値幅)が100nsであるパルス電圧を加速ギャップに印加した時、アノード電極から50mm流においてイオン電流密度~200A/cm^2、パルス幅~40nsのパルスイオンビームを得ることができた。また、トムソンパラボラ分析器を用いてパルスイオンビームのエネルギーとイオン種の同定を行った。この結果、イオンビームに含まれているイオン種はエネルギー140~740 keVの1-3価のアルミニウムイオンと160~190 keVの水素イオンであった。さらに、アルミニウムと水素の比率を算出したところ、アルミニウムの比率が89%、水素は11%という従来技術よりも高純度のパルスアルミニウムイオンビームが得られた。来年度は、ビーム発生術の向上を目指し、より詳細なビーム特性評価、装置改良等を行い、そして照射実験を行う予定である。
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Research Products
(12 results)