2012 Fiscal Year Annual Research Report
二置換ハイブリッドカリックスアレーン類の合成法の確立と機能開発
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22750028
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
諸橋 直弥 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70344819)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | カリックスアレーン / Ullmann型反応 / 金属錯体 / 溶媒抽出 / 希土類イオン / ホスホン酸 / ホスフィン / カルボン酸 |
Research Abstract |
本研究の目的は,カリックス[4]アレーン類の二つのヒドロキシ基を他の配位性官能基に直接置換した二置換ハイブリッド体の合成と機能開発であり,本年度は下記の成果を得た。 1. カリックス[4]アレーンの1,3-ビス(トリフルオメタンスルホン酸エステル)と亜リン酸ジエチルのUllmann型反応を精査した結果,少量の水の添加により,得られる1,3-ビス(ジエチルホスホノ)体の収率が向上することを見出した。また,既に合成に成功している,1,3-ジヨードカリックス[4]アレーンおよびカリックス[4]アレーンジカルボン酸,ジホスホン酸のX線結晶構造解析により,それらの結晶中における配座や分子間水素結合の詳細を明らかにすることができた。 2. 触媒反応への応用を指向し,1,3-ビス(ジフェニルホスファニル)カリックス[4]アレーンを配位子として調製した,パラジウム(II)錯体の反応性を調査した。その結果,パラジウムに配位したリン原子以外の溶媒や塩素イオンを他の配位子へ置換できる条件を見出すことに成功した。また,X線結晶構造解析により,得られた錯体の構造や配位子と金属間距離などの詳細を明らかにすることができた。 3. 1,3-ビス(ジエチルホスホノ)体から,残存ヒドロキシ基をエチレングリコール鎖で連結したカリックス[4]クラウンジホスホン酸を合成し,その希土類イオン抽出能を調査した。その結果,ジホスホン酸が2:1で希土類イオンと錯形成するのに対して,クラウンエーテル部位を導入した誘導体は1:1で錯形成することが明らかとなり,配位子効率の向上に成功した。さらに,置換基の導入がイオンサイズ選択性および結晶中における水素結合ネットワークに与える影響も明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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