2011 Fiscal Year Annual Research Report
効率的ワンポット連続合成反応を指向した高分子固定化金属ナノクラスター触媒の開発
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22750032
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮村 浩之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特任助教 (00548943)
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Keywords | 固定化触媒 / 金属ナノクラスター / ワンポット反応 / 酸素酸化 / アミド合成 / 二次金属触媒 / ベンゾオキサゾール / イミン |
Research Abstract |
研究代表者らは既に、ポリスチレンを基盤とする高分子や高分子と活性炭の複合担体に固定化した金ナノクラスター触媒(PI・Au、PI・CB/Au)ならびに二元金属ナノクラスター触媒(PI・Au/M、PI/CB・Au/M)が、アルコールの酸素酸化反応を始め種々の酸化反応に有効に機能することを見いだしている。昨年度はこれらの触媒を用いたアルコールからの酸化的ワンポットエステル合成反応、アリルアルコールと1,3ジカルボニル化合物によるワンポット酸素酸化・Michael連続反応を開発した。 本年度は、金、および金-鉄、金-ニッケル、金-コバルトナノクラスター触媒(PI/CB・Au,PI/CB・Au/Fe,Au・Ni,Au・Co)を用いた一級アルコールとアミンからの酸化的直接アミド合成反応を開発した。様々な対照実験から、本反応はアルコールのアルデヒドへの酸素酸化、引き続くアミナール形成、二回目の酸化という三段階の反応がワンポットで進行していることがわかった。 また、オルトアミノフェノールとアルデヒドからなるSchiff塩基を原料とし、白金ナノクラスター触媒による分子状酸素を酸化剤とする酸化的ベンゾオキサゾール合成法を開発した。Nアルキル置換オルトアミノフェノールを原料にすると、二段階の酸化反応と環化反応の合計3段階の反応がワンポットで進行し、ベンゾオキサゾールが直接得られることも見出した。 さらに本反応の検討過程で、白金もしくは白金-イリジウムナノクラスター触媒および触媒量のカテコール存在下、分子状酸素を酸化剤として穏和な条件下、アミンのイミンへの酸化反応が進行することがわかった。詳細な反応機構の検討の結果、本反応においては金属ナノクラスターとカテコール誘導体が協調触媒系として働いていることが明らかとなった。このような、金属ナノクラスターと有機分子触媒の協調触媒系の例は今まで報告がなく学術的にも非常に興味深く今後の発展が期待できる。
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Research Products
(21 results)