2011 Fiscal Year Annual Research Report
天然物合成を指向したインドールとアジンのC-H直接連結反応の開発
Project/Area Number |
22750037
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 潤一郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (00529026)
|
Keywords | インドール / 天然物 / ピリジン / クロスカップリング / 炭素-水素結合官能基化 / パラジウム触媒 / dragmacidin |
Research Abstract |
本研究は、生物活性天然物や医農薬化合物に頻繁に見られるインドール-アジン骨格を最も理想的かつ直接的に構築する基本的方法論を開発するとともに、開発した反応を駆使して天然物有機化合物群の合成へと応用展開するものである。本年度は昨年度開発したインドール誘導体とアジンN-オキシドのC-H/C-H直接連結反応およびチオフェン環とハロゲン化アリールとのβ位選択的なC-Hアリール化反応を活用し、ビスインドールアルカロイドdragmacidinDの合成研究に着手した。 チオフェン環と4-ヨードインドールとのβ位選択的なカップリング反応の後、RaneyNiによりチオフェン環を4炭素ユニットへと容易に誘導することができた。保護基の変更の後、得られたインドール誘導体と市販品であるピラジンN-オキシドとの位置選択的なC-H/C-Hカップリングの後、無水酢酸を作用させる事で、カップリング体を得た。続いて、カップリング体とインドール誘導体とのC-H/C-Hカップリング反応により、母骨格となる化合物を合成した。グアニジノ基の導入によるアミノイミダゾール部位の形成、保護基の除去によりdragmacidin Dの効率的全合成を達成した。 本合成法は既存の手法よりも10工程以上も工程数を短縮することができ、本研究を通じて新規直接的カップリング反応を駆使したインドール系医薬品の迅速合成と天然有機化合物の全合成への応用が可能となった。
|