2010 Fiscal Year Annual Research Report
ニッケル触媒を用いる環境調和型新規ビアリールカップリング法の開発
Project/Area Number |
22750040
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平野 康次 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70532696)
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Keywords | ニッケル / 銅 / アゾール / フルオロアレーン / ビアリール / 直接アリール化 / 直接アリル化 / 直接アミノ化 |
Research Abstract |
研究一年目の計画に基づき、ニッケル触媒を用いる新規ビアリールカップリング法の開発を行った。その結果、従来の触媒系では困難であったアリールシラン及びアリールホウ酸をアリール源とするヘテロアレーン類の酸化的直接アリール化反応を見出した。さらに、芳香環の炭素-水素結合直接ホウ素化と組み合わせることで形式的なワンポット脱水素型ビアリールカップリングにも成功した。ここで偶然見出したニッケル/分子状酸素の特異的な触媒活性を活用することで、ヘテロアレーンと末端アセチレンの脱水素カップリングも達成することができた。一方で、ニッケルと同じ第一周期の遷移元素に属する銅塩の活性にも注目し検討を行ったところ、クロロアミンを求電子的アミノ化試薬とするヘテロアレーンの新規直接アミノ化を見出した。この手法は従来法と比べ遥かに温和な条件下で直接アミノ化が進行するという大きな特徴を持つ。この知見を基に銅塩の更なる触媒活性を調査したところ、ヘテロアレーンとスルホキシイミン類との脱水素アミノ化や、リン酸アリルによるポリフルオロアレーンの立体特異的直接アリル化、及びフェニルピリジンとアゾール類の脱水素ビアリールカップリングなどの新たな直接的分子変換法をいくつか創出することができた。上述した触媒作用の多くは第一周期の遷移金属に特有の反応であり、従来の貴金属触媒の単なる代替品という枠を超えて、これらの金属の新たな機能を引き出したという点で極めて興味深い。
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