2011 Fiscal Year Annual Research Report
ニッケル触媒を用いる環境調和型新規ビアリールカップリング法の開発
Project/Area Number |
22750040
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平野 康次 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70532696)
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Keywords | 銅 / アゾール / ヘテロビアリール / アリールアミン / 直接アリール化 / 酸化カップリング / 求電子的アミノ化 |
Research Abstract |
研究二年目の計画に基づき、引き続きニッケルを触媒、銅塩を酸化剤とする酸化的ビアリールカップリングを検討した。その中で偶然にも、銅塩単独でも、両基質の炭素―水素結合切断を伴うビアリールカップリングが進行することを見出した。この反応の一般性を確立するために更なる検討を行ったところ、窒素上に適切な配向基を有するインドドール及びピロールとアゾールのクロスカップリングが進行することを見出した。また、この反応では分子状酸素を再酸化剤とすることで、銅塩を触媒化することにも成功した。さらに、二座型配向基を導入することで、広範な安息香酸誘導体とアゾールの脱水素型クロスカップリングにも成功し、対応するヘテロビアリール類を網羅的に合成することができた。加えて、上記の概念をオルトアルキニルフェノールもしくはアニリンを出発物質とする芳香環化を伴う脱水素型クロスカップリングへと応用することで、ベンゾフラン/アゾールならびにインドール/アゾール母核を含むπ共役ビアリールの迅速合成法も見出すことができた。こうした反応形式は従来触媒として高価なパラジウムやロジウム、酸化剤として化学量論量の銅塩や銀塩を必須としていた事実を考えると、貴金属触媒を必要とせず、銅塩単独で進行する本反応系の開発は経済的面、学術面双方の観点から極めて興味深いといえる。一方で、求電子的アミノ化試薬を用いる新規触媒的炭素―窒素結合形成反応の開発にも注力し、芳香環化を伴うアミノ化、アリールホウ酸、シランならびにケテンシリルアセタールのアミノ化など、いくつかの斬新かつ有用なアミノ化反応を見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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