2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22750042
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井川 和宣 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (80401529)
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Keywords | 有機合成 / 不斉合成 / 有機ケイ素化合物 / ケイ素不斉 / シラノール |
Research Abstract |
キラル有機ケイ素化合物の不斉合成を指向した新型活性シランの開発 光学活性シラノールを不斉合成素子として用いたキラル有機ケイ素化合物の汎用的な不斉合成法の開発を目指して,立体特異的な求核置換反応が進行する新型活性シランを新たに設計し,その反応性と立体化学経路について精査した.その結果,ピリジルメチルオキシ基を脱離基として有するシラン類が,有機リチウム反応剤や有機マグネシウム反応剤と速やかに反応することを見出すとともに,本反応がケイ素原子上立体保持で進行していることを明らかにした.また,理論計算を用いて,本反応が有機金属反応剤の金属カチオンとピリジン窒素の配位結合を含む七員環シリケート中間体を経て進行していることを明らかにした. オゾン酸化を活用したキラルシラン類の新規不斉合成法の開発 本研究代表者が先に開発に成功しているアルケニルシランの付加型オゾン酸化反応は,温和な条件下でケイ素-炭素結合をケイ素-酸素結合に変換することが可能である.そこで,本反応をキラルシランの立体特異的変換法として活用することを試みた.その結果,本付加型オゾン酸化反応がケイ素上立体保持で進行することを明らかにするとともに,基質のアルケン上にアルコキシ基を導入することで通常の酸化的開裂反応が進行し,他法では得難いシラカルボン酸エステルが高収率で得られることを見出した.さらに,本反応を用いることで,ケイ素上に水酸基とカルボキシル基を併せ持つ,キラルヒドロキシカルボン酸エステルのケイ素アナログを不斉合成することにも成功した.
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Research Products
(11 results)