2011 Fiscal Year Annual Research Report
保護-脱保護法により酸性基を導入した配位高分子を用いたアルカリイオン伝導体の開発
Project/Area Number |
22750053
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 鉄兵 京都大学, 理学研究科, 助教 (10404071)
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Keywords | 配置高分子 / イオン電導 / イオン交換 |
Research Abstract |
私は自ら開発した保護-脱保護法を用いて、架橋配位子中のヒドロキシル基、ボスホ基及びスルホ基といった酸性残基をフレームワークに導入した配位高分子を合成し、配位高分子の細孔内に取り込まれた酸性基にイオン交換によりアルカリイオンをドープし、伝導度を評価し、高イオン伝導体の構築を目指した。 1、配位高分子内部への水及びアンモニアの吸着挙動を調べる 配位高分子内部へ酸点を導入した配位高分子の水分子およびアンモニア吸着挙動を検討した。多様な配位高分子における水分子吸着挙動を詳細に調べ、水分子がどのように酸点と相互作用するかを見出した。さらに反応性の高いアンモニアを安定に吸着する配位高分子を種々見出し、その吸着量を見積もることに成功した。得られた水・アンモニア吸着配位高分子のプロトン伝導性を測定したところ、水やアンモニアの吸着に伴うプロトン伝導性の急激な上昇が見出された。さらに、水・アンモニアの共吸着を行うことで、プロトン伝導性が、水もしくはアンモニアを単独で吸着させたのに比べ、2桁以上高いことがわかった。これは導入した酸点がアンモニアにプロトンを渡すと共に、水と水素結合することで、アンモニウムイオンが酸点から離れ、伝導パスを形成したためであり、このような伝導メカニズムを世界で初めて達成した。 2、保護-脱保護法により得た官能基を基にしたアルカリ金属イオンの導入 多様な配位高分子にアルカリイオンを導入することに成功した。さらにアルカリ金属イオンとの交換反応を行い、反応時間に対しプロットすると、アルカリ金属イオンの吸着が見られたことから、アルカリ金属イオンを取り込むことを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
水およびアンモニアの吸着挙動およびプロトン伝導性を予定通り発現させると共に、共吸着によるプロトン伝導性というこれまでにない現象を見出し、伝導性の向上を実現した。アルカリ金属イオンの導入にも順調に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は水・アンモニア共吸着体の構造解析とプロトン伝導メカニズムの詳細な解析を行う。 またアルカリ金属イオンを導入したサンプルについても同様の伝導性発現を行い、アルカリイオン伝導体を創成する。
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