2012 Fiscal Year Annual Research Report
5-7族金属クラスターの白金族金属代替触媒としての利用
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22750061
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
上口 賢 独立行政法人理化学研究所, 物質評価チーム, 専任研究員 (10321746)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 不均一系触媒反応 / 無機材料 / モリブデンクラスター / 白金族金属代替 / 水素化反応 / 水素化分解反応 |
Research Abstract |
白金族金属触媒は金額にして我が国で出荷される触媒の7割を占めるが、高価なうえ希少金属のため代替触媒の開発が急務である。我々はこれまでに正八面体金属骨格を有する5-7族の無機クラスター化合物が白金族金属を用いて行われている種々の反応の触媒となることを報告してきた。今年度さらに反応スクリーニングを行った結果、種々の官能基の水素化反応が進行することを新たに見いだした。すなわち、モリブデンクラスターを水素気流下300 ℃前後で加熱活性化処理後、引き続き温度を変えずに種々のアルデヒドを反応させると対応する一級アルコールが最大93%の選択性で生成した。カルボン酸の反応では対応する一級アルコールが最大85%の選択性で生成した。また、スチレンからはエチルベンゼンが99%以上の選択性で生成し、ニトロベンゼンからはアニリンが98%以上の選択性で生成した。一方、クロロベンゼンやブロモベンゼン、ヨードベンゼンを反応させると水素化分解が99%以上の選択性で進行しベンゼンが生成した。アルデヒドの水素化はRuやPtにより、カルボン酸の水素化はRuやPtにより、スチレンの水素化はRhやPtにより、ニトロベンゼンの水素化はPdやPtにより、また、ハロゲン化ベンゼンの水素化はRhやPd,Ptにより行われている反応であり、クラスターが白金族金属代替触媒として広範囲の反応に適用できることを明らかにした。 活性化後のクラスターでは、金属骨格1個あたり最大0.4個の硫黄欠損サイトを持つことがアンモニア昇温脱離法により確認され、配位不飽和なモリブデン原子が活性点として働くことにより上記触媒反応が進行することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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