2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子のプラズモンカップリングによるタンパク質構造変化計測
Project/Area Number |
22750064
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
藤原 一彦 秋田大学, 工学資源学研究科, 助教 (10375222)
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Keywords | ナノバイオ / 分析化学 / タンパク質 |
Research Abstract |
タンパク質の機能の解明には構造変化ダイナミクスの詳細な解析が不可欠である。このような解析は現在蛍光法による一分子検出により達成されているが,発色団の光退色など多くの問題点を抱えている.本研究は,蛍光法における問題点の解決を目的として,金ナノ粒子のプラズモンカップリングを利用した新たなタンパク質構造変化計測法の開発を行った.本年度は,GroEL/GroES間の相互作用を観測モデルとして,タンパク質で修飾した単一金ナノ粒子間のプラズモンカップリングを高感度で観測し,分子間相互作用が解析可能な画像解析法の構築した. まず観測実験の予備段階として,SPM測定と顕微散乱スペクトル測定より,金ナノ粒子が単分散状態で固定化される最適化密度を検討し,10個/・m^2程度以下において粒子は単分散状態でガラス表面へ固定化されることが分かった.次にGroEL/GroES間の相互作用を観測モデルとして,タンパク質で修飾した単一金ナノ粒子間のプラズモンカップリング観測を検討した.顕微暗視野観察によってGroEL/GroES間の相互作用の観測を行った際には,ガラスチップ側の金ナノ粒子-GroELに対して,溶液中の金ナノ粒子-GroESが近づくとプラズモンカップリングによって散乱光強度が増大し,散乱光強度が変化することを想定し実験系を構築したところ,当初の予想どおりに散乱光強度の変化が観測できた. 散乱強度が増大している時間をGroEL/GroESの結合時間としてヒストグラムを作製したところ,約14.5においてピークを持つ山型の分布が得られた.また,ATPが過剰に存在している条件ではGroELとGroESの結合時間は約8-10sのピークが得られ,得られた値は蛍光法を利用した単一分子測定による既報のものとよく一致することが分かった.よって散乱強度変化よりGroEL/GroES間の相互作用の解析ができた.
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Research Products
(15 results)