2011 Fiscal Year Annual Research Report
トラックエッチ膜フィルターを母体とする高性能二重電極システムの開発
Project/Area Number |
22750065
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
水口 仁志 山形大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (30333991)
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Keywords | 電気化学センサー / 二重電極 / トラックエッチ膜 / 流れ分析 / フロー電解セル |
Research Abstract |
二重電極法は,電解液の対流の方向に作用電極と検出電極を設置し,それぞれ独立に電位を制御して,作用電極上での電気分解反応による生成物を検出電極で検出する分析手法である。古くから電極表面の反応を解析する重要な手段の一つとして知られ,二次電池や燃料電池開発,めっき,腐食,生体関連物質のレドックス挙動,生体材料の特性試験など幅広い分野で用いられてきた。一方,径が精密に制御された無数の円筒状真直の孔をもつトラックエッチ膜フィルターに白金等をコーティングすると,微細な孔を流路とする極めて高感度なフロー型の電気化学検出器(フィルター電極)を作製することができる。本研究ではこのフィルター電極を重ねた形状を持つ新しい二重電極法を開発することが目的である。 平成23年度は,前年度に得られた知見に基づき,(I)トラックエッチ膜フィルター電極の作製方法の確立,(II)二重電極を搭載した電気化学検出ユニットの開発とフロー分析系の構築,GID後続反応を伴う電気分解反応を利用する分析法の構築について検討した。その結果,(I)については,湿式めっき法によってトラックエッチ膜フィルターに金属をコーティングして電極を作製し,さらにフロースルー型の電極として機能することを実証した。(II)については,アルゴンガスを用いる圧送方式によってフロー分析系を構築し,フローインジェクション分析法において試料の導入に対する二重電極検出器として良好な応答を示すことを実証した。(III)については,ヨウ素/ヨウ化物イオンを酸化還元プローブとして用い,間接的な電流検出型センサーとしての機能を実証した。これらの成果は,本研究で提案する二重電極システムを流れ分析に適用する上で多様なアレンジが可能であることを示すものである。
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Research Products
(5 results)