2010 Fiscal Year Annual Research Report
特異な酵素反応を利用した細胞内タンパク質機能制御システムの開発
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22750071
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
末田 慎二 九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 准教授 (00325581)
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Keywords | タンパク質機能解析 / ビオチン化反応 / 遺伝子ノックアウト / 膜タンパク質 / タンパク質間相互作用 |
Research Abstract |
本研究では、細胞の生育に必須なタンパク質の細胞内での機能・役割を推定することができる分析システムの開発を目的としている。ある古細菌由来のビオチン化反応では、ビオチン化酵素(BPL)がそのビオチン化された基質タンパク質(BCCP)と安定な複合体を形成するという現象が起こる。本研究ではこの性質を利用して、標的タンパク質をBCCPとの融合体として発現させ、膜タンパク質との融合体として発現させたBPLを利用してビオチン化反応を行なう。そして、標的タンパク質を細胞膜の内側に固定化することにより、その細胞内での機能制御を目指す。本年度は、まずヒト細胞内でビオチン化反応を介してタンパク質の動きを制御できることを確認すると共に、その反応条件について検討を行なった。具体的には、まずBCCPと膜タンパク質の融合体と、BPLと蛍光タンパク質の融合体の発現系の構築を行なった。膜タンパク質としてはブラジキニンB2レセプターを選び、細胞の内側に存在するC末端にBCCPを連結した。構築した両融合タンパク質の発現プラスミドを使って、ヒト由来のHEK293細胞に対してトラスフェクションを行い、細胞を共焦点レーザー顕微鏡で観察した。その結果、蛍光タンパク質に由来する蛍光が細胞の輪郭から確認でき、ビオチン化反応を介して、細胞膜の内側にタンパク質を固定化できることが確認できた。また、トランスフェクションに利用する両発現プラスミドの量比を調節して観察を行なったところ、BCCP部位を有する膜タンパク質を過剰に発現させることにより大部分のBPLと蛍光タンパク質の融合体を細胞膜の内側に固定化できることがわかった。
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Research Products
(3 results)