2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22750082
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
三野 孝 千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40302533)
|
Keywords | 合成化学 / 有機化学 / 不斉合成 |
Research Abstract |
本年は以下の2点について研究を行った。 1.鎖状三級アミン型炭素-窒素軸不斉配位子の合成:アダマンチル基を有する鎖状三級アミン型炭素-窒素軸不斉配位子は、ジアステレオマーへと誘導し光学分割することにより、光学活性体としての合成に成功した。またこれらはいずれも炭素-窒素結合間に軸不斉が安定に存在することを見出した。またリン原子を有するベンゼン環の6位の置換基がOMe基である化合物はキラル結晶を形成することが明らかとなり、不斉源を用いない光学分割にも成功した。本配位子を用いたパラジウム触媒による不斉アリル位アルキル化反応について検討したところ、現在までに93%eeの不斉収率で目的物が得られており、今後更なる不斉収率の向上を目指す。 2.インドール型炭素-窒素軸不斉配位子を用いたパラジウム触媒によるアリルエステルの不斉還元反応の最適化研究:ギ酸をプロトン源とするアリルエステル類の不斉還元反応は、モノホフィンを配位子とする単座配位型パラジウム触媒が効果的であることが知られている。そこで、単座配位型錯体であるインドール型炭素-窒素軸不斉配位子のラセミ体を使用し、2-(naphthalen-1-yl)but-3-en-2-yl acetateを用い反応を検討したところ、目的とする生成物が収率72%で得られることが明らかとなった。次年度以降、光学活性配位子を用いて検討する予定である。 以上のことから平成23年度以降のより挑戦的な不斉触媒および不斉反応の開発に向けての基盤を整えることができた。
|
Research Products
(4 results)