2010 Fiscal Year Annual Research Report
コンプレックス化の速度論に基づく環状DNAの量子化された折り畳み凝縮機構の解明
Project/Area Number |
22750098
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長田 健介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任講師 (10396947)
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Keywords | 生体材料 / 高分子構造・物性 / ナノバイオ / 遺伝子 |
Research Abstract |
本研究は親水性セグメント-カチオン性セグメントからなるブロックカチオマーを用い、プラスミドDNA(pDNA)の凝縮を一分子単位で誘起し、その過程を初めて実験的に捕らえるとともに、そこに速度論に基づく考察を適用することで、pDNA凝縮の量子化折り畳みの成因を明らかにすることを目的としている。 平成22年度はブロックカチオマーとしてポリエチレングリコール(分子量12000)、重合度20のポリリシンからなるpoly(ethylene glycol)-b-poly(L-lysine)(PEG-PLys12-20)を合成し、二つの方法でpDNAとコンプレックス化させることで凝縮を誘起した。一つ目は一般的な混合法であるPEG-PLys溶液をpDNA溶液に一度に添加し、凝縮を瞬時に誘起させる瞬時混合で、もう一つはPEG-PLys溶液をpDNA溶液に少量ずつ添加し、凝縮を逐次的に進める滴定混合である。原子間力顕微鏡(AFM)による構造観察から、凝縮の初期段階であるpDNAに対するPEG-PLysの電荷比(N/P比)0.2において、pDNAが局所的に凝縮したと推定される構造(AFMでは局所的な高さとして認識される)が見られた。興味深いことに瞬時混合では局所的凝縮が単一pDNA上に複数箇所見られるのに対し、滴定混合では単一箇所であるものが多数観察された。これは核形成、核成長のスキームを考えると、瞬時混合は多核形成、滴定混合は単一核形成であることをAFM観察より捕らえたものと理解される。本年度の検討からpDNAの一分子凝縮過程を核形成、核成長の観点で観察することに成功した。今後N/P比を上げることで核成長過程を捕らえ、さらに熱測定と相対的に議論することにより、凝縮過程が明らかになるものと期待される。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Polyplex micelles prepared from ω-cholesteryl PEG-polycation block copolymers for systemic gene delivery2011
Author(s)
Makoto Oba, Kanjiro Miyata, Kensuke Osada, James R.Christie, Mai Sanjoh, Weidong Li, Shigeto Fukushima, Takehiko Ishii, Mitsunobu R.Kano, Nobuhiro Nishiyama, Hiroyuki Koyama, Kazunori Kataoka
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Journal Title
Biomaterials
Volume: 32
Pages: 652-663
Peer Reviewed
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