2010 Fiscal Year Annual Research Report
半導体高分子のナノ空孔膜を利用した有機薄膜太陽電池の創製
Project/Area Number |
22750100
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
東原 知哉 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (50504528)
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Keywords | 有機薄膜太陽電池 / 半導体 / 多孔質材料 / リビング重合 / ナノ構造 / パターニング / ポリ(3-ヘキシルチオフェン) |
Research Abstract |
縮合的連鎖重合及びリビングアニオン重合を基とし、官能基を有する停止剤を用いて、鎖末端にアニリン基を有するポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT-NH_2)と鎖未端にスルホ基を有するポリスチレン(PS-SO_3H)の合成に成功した。目的の構造はSEC、NMR、及びMALDI-TOFマススペクトルにより同定した。次に、等モルのP3HT-NH_2とPS-SO_3Hをトルエン中で混合し、スルホン酸/アニリンによるイオン結合性ブロック共重合体の合成を行った。目的のイオン結合形成はIRにより確認した。得られたイオン結合性ブロック共重合体薄膜のAFM及びTEM観察では、約15-18nmの幅と数μmの長さを持つナノファイバー状のモルフォロジーが明確に観察された。さらに、酢酸エチル/トリエチルアミンを用いたイオン結合の解離とPSセグメントの溶媒エッチングを行うことで、新規P3HTナノ多孔質膜の創製に成功した。さらに自己集積構造の詳細を明らかにするため、ブロック共重合体薄膜のGISAXおよびGIUSAX測定を行った。その結果、PSセグメント除去前のドメイン幅の平均周期長が16.1nmであったのに対し、PSセグメント除去後は平均周期長が13.6nmに若干縮小した。さらに385nmを平均周期長とする大きなドメイン構造も観察されたことより、P3HTナノ多孔質構造の部分的な倒壊が起きているものと推察された。今後は、同様のナノ構造形成が期待できるブロック共重合体とn型半導体とのブレンドを利用した有機薄膜太陽電池の創製を追加検討する。
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